■視覚障がい者のサポート講座(全6回)
内容:①視覚障がい者の話を聞く
②音声ガイドの実例紹介・機材の説明
③事前解説をつくる
④本編ガイドを考える
⑤誘導の練習
⑥劇場実習 @俳優座劇場(Pカンパニー「はだしのゲン」を視覚障がい者と一緒に音声ガイド付きで鑑賞する)
■本日の内容は、②音声ガイドの実例紹介・機材の説明です。
まず、実際に事前解説を聞いてみました。
私は、以前歌舞伎のイヤホンガイドを貸し出す仕事をしていたことがあり、イヤホンを使った事前解説を聞くのはその時以来です。歌舞伎のイヤホンガイドは、視覚障害の方に特化したものではなく、歌舞伎の知識がない人でも楽しめるようにお話の内容や登場人物などについて、解説が入るというもの。
視覚障害の方用の音声解説は、何が違うのだろう?
正直よく分かりませんでした。私は、視覚障害の方用という前に、普通の事前解説すら作ったことがないので、事前解説を聞いて、ただただすごいなーと思うばかり。
■解説の内容
解説の内容は、主に
・全体の構成
・スタッフや出演者
・役の説明(キャラクター、衣装、関係性)
・舞台セット
・演目の中で知っておくべきこと(突然大音量になる場面がある、無言や無音の時間があるなど)
・イヤホンの音漏れに関する注意
など。
この事前解説の作成は、衣装合わせの時の写真を見せてもらったり、通し稽古を見せてもらったりしながら行っているそうですが、お芝居は、本番直前で突然変わることもあるので、直前が一番忙しいとのこと。
■ネタバレはどこまで?
もう一つ話題になったのは、ネタバレについて。
クラシックのオペラやバレエのように、多くの人が内容や結末を分かっているものと違い、お芝居は新作が多い印象があります。その時、どこまで、ストーリーを話してしまうのかは、難しいそうです。
以前、ゲストの方のお話を伺った時に、ネタバレはさほど気にならないという方と、なるべくしないでほしいという意見がありました。
しかし、すべての人に合わせることはできないので、そのさじ加減も含めて託されているのだなと思いました。
■機材の説明
マイク → ミキサー → 送信機 → アンテナ → ラジオ
と思っていたよりも、たくさんの機材が必要なんですね。
ラジオのイヤホンを全て伸ばすと、白く塗られているところがあり、それがアンテナになっているそう。
私の素朴な絵を載せておきます。
■私は、今までさまざまなホールで勤務してきましたが、このような機材を使っているところに遭遇したことがなく、今回初めて知ることがたくさんありました。
演劇のチラシをよく見ると、「音声解説あり」という表記は、ひっそりとしすぎていて探さないと分からないですし、視覚障害でない人には貸し出しを行っていないので、私が体験しようと思っても難しいようです。
ほかにも
〇「TA‐net」というサイトに視覚障碍者向けの情報が多く乗っていることや
〇視覚障害の方に読みやすいメールは、「点字図書館」のメーリングリストを参考にするとよい
ということを学びました。
来週は、早くも事前解説を作るという内容です。