やーぼのブログ

コンサートホールで案内係をしている著者が、出演者・聴衆・スタッフの思いが渦巻き乱反射する、劇場の魅力を語ります。 現在、新しいURL https://ya-bo.hateblo.jp/ に引っ越しを行っています。2023年3月31日にこちらのブログを閉じます。

舞台芸術鑑賞サポート講座 入門

■こんな講座を見つけたので、参加してみることにしました。



「はじめの一歩」「入門編」という専門の人でなくても、誰でもウェルカムな響きに惹かれて参加を決めました。


コンサートホールや劇場に関わる仕事をしている私にとって、鑑賞サポートはとても気になる分野です。しかし、視覚障がいや車椅子などサポートが必要な方のアテンドについては、会社の研修で行われる程度、その研修も簡易的なものです。

実際にサポートを必要としている方、ご本人からお話を聞いたり、サポートのプロから指導を受けているわけではありません。(あくまでも私の所属する会社の場合)

コンサートは、多くの方に楽しんでほしい。ですが、係員の技術や人員にも限界があります。そもそも私達の提供しているサポートは、彼らの役に立っているのか?

本当はどう思っているの?もやもや。

そんなときに偶然見つけたのが、この鑑賞サポートの講座。予定も空いている。これは行くしかない!ということで、いざ、「舞台芸術鑑賞サポート講座」へ。

■サポートって何だろう?

早速、会場に向かいます。入門編の会場は、四谷にある「猫の寄り道スタジオ」でした。参加者は、20名ほど(だったと思う)。多くの方が、演劇に関わっている方で、クラシック音楽の畑からきているのは、私だけのよう。

この講座に参加して、まず感じたのは、想定されているのが「演劇」に関わるサポートであるということです。そして、主催する団体側に何ができるのかを学ぶという内容でした。

ここで私は、自分が想像していた内容と少し違うなと思いました。

私の仕事内容・・・来場した方をアテンドする。
この講座の趣旨・・・もっと幅広く、公演の案内から来場までを含めてサポートする。

私は、自分の中にあるサポートという言葉が、サポート=アテンドと考えていたことに気づきました。

私は、自分で公演を企画したり、制作をしたりということはしたことがなく、いろいろな困難を乗り越えてホールにいらした方を、会場内で案内することが主な業務。公演の周知やチケットの予約のしやすさの工夫といった、そこに至るまでのプロセスに対して考えることが日常的になかったのです。


現在、鑑賞サポートのある公演(例えば、点字のプログラムがある・駅まで迎えに来てくれる・音声解説があるなど)は、限られています。「限られた中から作品を選ぶのではなく、あまたある中から自由に作品を選べるようにしたい」という、講師の鯨エマさんのお話が印象的でした。

うまく言えないのですが、今回の講座は、普段私が関わっている公演や業務内容とは別の切り口から学ぶ、とても貴重な機会になりました。

今回の講座を、日ごろの業務にどう生かすか。これからも劇場の新しい可能性を探っていこうと思いました。