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本日は「コンサートホールで客席に花束を持ち込めない理由」についてお話します。
クラシックのコンサートでは、出演者に贈り物をお持ちになる方が多くいらっしゃいます。(私もコロナ禍以前は、先生や友達のコンサートに贈り物を持って行っていました。)
現在は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、ほとんどの公演で贈り物は禁止
されています。ですが、また以前のような日常が戻った時のために、一般的なコンサートホールの「花束」のルールをお話します。
基本的に「お花」を客席内に持ち込むことはできません。
・花束のセロファンやビニール袋の音が、鑑賞の妨げになるから
(詳しくはコンサートの鑑賞を妨げる音 - tantataのブログをご覧ください。)
・花粉などがほかのお客様のお召し物についてしまう場合があるから
・花のにおいが苦手な方もいらっしゃるから
・花の水がこぼれたり、湿度のコントロールに影響を与えるから
などが主な理由です。
「花束」と書きましたが「一輪挿し」であっても同様の理由から持ち込めません。
そのため、客席にお花を持ち込もうとすると、係員に声をかけられます。
「出演者にお花を渡したい」場合は、花束受付を案内されます。受付で「渡したい相手の名前」と「自分の名前」を書いてスタッフに渡すと、開演中に楽屋へ運んで渡してくれます。
では「出演者に直接渡したい」時はどうでしょう?
これには二つのパターンがあると思います。
「終演後や演奏後に出演者に直接会って渡す」場合と
「舞台上にいる出演者に客席から渡したい(中渡ししたい)」場合です。
「終演後や演奏後に出演者に直接会って渡す」場合は、花束受付でその旨を伝えるか、
クロークに預けて終演後に受け取って渡すとスマートです。
では「舞台上にいる出演者に客席から渡したい(中渡ししたい)」場合は?
「主催者」や「会場であるホール」の許可が必要です。
(発表会やアマチュアの団体のコンサートなどは、その限りではありません。)
特に
・コンサートホールと名の付く、クラシック専用のホール
・学校の施設として学校が管理しているホール
・ホール専属の係員(レスプショニスト)がいるホール
は、ルールが厳しいため注意が必要です。
コンサートは、分刻みで進行しています。
そこに、予定にない中渡しが行われると、進行の遅れにつながります。
それにルールを守って鑑賞されている方々が、「なんであの人だけ<`ヘ´>」と不快な思いをしたり、次からルールを無視する人が増えてしまうという懸念もあります。
中にはそのことを分かっていながら、小さめの花束を袋に入れてこっそり持ち込んで、
中渡ししてしまう方もいらっしゃいます。
私は、そういうのは良くないなと思います。
その人は満足かもしれませんが、コンサート全体の質を落とします。
コンサートの質は、会場や舞台上の演奏者だけで決まるわけではありません。
そこにいらっしゃるお客様の行動もコンサートを形作る大切な要素なのです。
中渡しをした本人としては、演奏者への最大の敬意を表したつもりが、周りには
「ルールやマナーをわきまえない
教養の低いお客様をファンに持つアーティスト」
という印象を与え、残念です。
ちなみに、事前に中渡しすることが打ち合わせで決まっている場合は、
係員が中渡しがスムーズに進行するようにアテンドしたり、通路を開けておくなどのフォローをしてくれます。
・コンサートで「お花」は場内に持ち込むことができない。
・お花は「花束受付」へ。
・中渡しをする際は、事前に許可を取って。
お花のルールのお話でした。