それは、先日届いた1通のメールから始まった。
「当選のお知らせ
この度は【オルガン・コンサート&バックステージ・ツアー】にご応募いただき、誠にありがとうございました。
厳正なる抽選の結果、当選となりましたので下記の通りご案内申し上げます。当日のご来場を心よりお待ちしております。」
「当選」「厳正なる抽選」...迷惑メールだろうか?
そのメールを読んだ私は、しばらくそう思っていた。
実はこのツアーに申し込んだのは8月の始め。予定は開けておいたものの申し込んだことをすっかり忘れていたのだ。さんざんいぶかしがった結果、出かけていくことに!
■いざ「オルガン・コンサート&バックステージ・ツアー」へ
ハロウィンテイストのプログラム☆カワ(・∀・)イイ!!
すみだトリフォニーホールでは、このようなツアーを年に何回か行っていて、日程によって「一般」の部の他に「車椅子ご利用の方」のコースや「未就学児」も参加できるコースもあり、どなたでも楽しんでいただけるよう充実した設定になっているなと感じました。
今回は、私が参加した「一般」(¥500)の部についてレポートします。
何も乗っていないステージって、なんだか新鮮。
(譜面台だけが乗っているのがさらに珍しい)
無伴奏のコンサートやパイプオルガンコンサートならではの風景です。
■オルガンコンサートでは、オルガニストの栗山美緒さんが曲の解説トークをはさみながら演奏。ティンベルシュテルンを使った曲もあり、短いながらもオルガンの多面的な魅力を味わえる選曲と演奏でした!
ティンベルシュテルンは、オルガンの上部、中央についている星がくるくると回転することでキラキラとした鈴のような音が鳴ります。音が天から降り注いでいるような不思議な感覚☆彡
アンコールは「ラデツキー行進曲」。オルガンで聴くラデツキー行進曲は新鮮でした。
その後、舞台の上に参加者全員で集まって栗山さんと一緒に集合写真を撮りました。
(この時の写真は後日メールで送られてきました。)
■そして、後半戦。バックステージ・ツアー!
今回は、受付で配られた色ごとに3グループに分かれて回ります。
私達のグループは、下手袖から。
こちらは、画家・横尾忠則氏の滝が描かれた壁画。
すみだトリフォニーホールは、ホールの随所にパブリックアートがありますが、私が驚いたのはバックステージにもパブリックアートがあること。
私は仕事柄、多くのコンサートホールのバックステージを訪れてきましたが、楽屋の中だけでなく出演者誰もが見える場所にアート作品があるホールはほとんどなく、すみだトリフォニーホールは珍しいなと感じました。
次に紹介されたのは、小澤征爾さんの楽屋張りで演出されているこちらの楽屋。すみだトリフォニーホールで最も豪華な楽屋です。
どこのホールでも主に指揮者やソリストをお迎えする楽屋は、最も力を入れて作られており、多くの場合舞台に登場しやすいよう、舞台に一番近い下手側にあります。
楽屋201は、窓が障子風になっていて和の雰囲気が取り入れられています。これも珍しいことだなと思いました。私が今まで訪れたホールでは、海外のアーティストが訪れることを考慮して、そのアーティストに自分の国と同じような環境でくつろいでもらえるよう、あえて海外のインテリアでまとめていた印象がありました。
しかし、すみだトリフォニーホールでは、「せっかく日本に来たのだから日本ぽさをを味わってもらいたい」ということで、和のテイストを採用したのだそう。こういう考え方の違いも面白いです。
■次は、パイプオルガンのゾーンへ。
先ほど演奏をしてくださった栗山さんが説明をしてくださいます。
パイプオルガンには、ストップやペダルなどいろいろな機構があるので栗山さんにとってはあまり珍しくなくても、私は興味津々。実際にオルガンを見ながら「あれはなんですか?」「これは何ですか?」とせっせと質問しました。
そして、少しだけ鍵盤に触れさせてもらいました。私は、小さいパイプオルガンは弾いたことがありますが、このような大きなパイプオルガンは初めて。
ドキドキしながら和音を押すと素敵な音が…。(このツアーに参加してよかった!)
パイプオルガンのツアーと言えば、実際に曲を弾かせてくれるものもありますが、私のような一般ピープル&ビビりな人には敷居が高すぎて参加までたどり着けません。ですが、こんな風に少し音を出させてもらえるのは嬉しかったです。
■次は、パイプオルガンの裏側へ。
バックステージとはいえ、パイプオルガンの裏側に入れる人は限られています。このようなツアーの興味深いところは、スタッフですら入ることのない場所へ案内してもらえること。
■最後は、ステージへ。
コンサートホールで働いているとステージはいつも目にしているもの。ですが、案内係がステージに上がることはまずありません。いつも目にしているけれど立つことのない場所、それがステージなのです。
上手側から入っていきます。
すみだトリフォニーホールは、シューボックス型と呼ばれる直方体のホールです。舞台と客席を分けるプロセニアムはないため、舞台の脇まで客席があります。
プロセニアム(オペラハウスなどにある舞台と客席を分ける枠)がなく、客席と舞台が一体となっているということから、すみだトリフォニーホールがクラシック専門のコンサートホールだということが分かります。
落ち着いていて重厚感がありつつも、ベルベット調の赤いシートであたたかな空間になっている「すみだトリフォニーホール」。
次は、オーケストラの公演で訪れたいなと思いました。