やーぼのブログ

コンサートホールで案内係をしている著者が、出演者・聴衆・スタッフの思いが渦巻き乱反射する、劇場の魅力を語ります。 現在、新しいURL https://ya-bo.hateblo.jp/ に引っ越しを行っています。2023年3月31日にこちらのブログを閉じます。

鑑賞を妨げる「におい」


鑑賞を妨げる要因として、いくつもの「音」があるというお話を
何回か書かせていただきました。
(詳しくは、こちらの記事をご覧ください。↓)

tantata.hateblo.jp

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その他にも、鑑賞を妨げるものにはいくつかあり、その一つが「におい」です。

私は係員になってから、お客様の「におい」を敏感に感じ取るようになりました。

それは、変な意味ではなく、
「香水の匂いの強い人」や「靴を脱いでいる人から漂ってくる足のにおい」、
「気分が悪くて戻してしまった人がどこで戻したのか」など、目や耳だけではなく、
鼻からの情報も公演を予定通りに進めていく、大切な要素だからです。


公演は時間との闘い、早期発見が重要です。
それらに早く気づくことで、次の手を打つことができます。


どんなにすばらしい演奏も、自分が好みではない「におい」の前では満足度も
半減してしまいます。

あまりの不快な「におい」に、席の移動を申し出る方もいらっしゃいます。

私の友達のお父様は、ある楽団の会員でシリーズで同じ席に座れるセット券を購入していました。しかし、いつも隣に座る人が靴を脱ぐ人で、その足の「におい」が不快だったため、セット券をやめたそうです。

ただ、「におい」に関して係員から注意を行うのは極めて困難です。

本人にとっては慣れてしまっているものなので、気づいていないことが多く、
「くさいですよ」とも言いづらいというか、言えない上、言われたところで「におい」を消せるわけでもなく…。

気になるほうの人に、移動していただくしかありません。
これも、代わりのお席がある場合に限りますが…。

ちなみに、クロークでお預かりしたコートなどの香水のにおいがきつかった場合は、
ほかの方のお召し物に「におい」が移らないように離しておくなどの対策を取ることはできます。


演奏会で周りの方の「におい」が気になるときは、開演間際ではなく、なるべく早めにご相談ください。