やーぼのブログ

コンサートホールで案内係をしている著者が、出演者・聴衆・スタッフの思いが渦巻き乱反射する、劇場の魅力を語ります。 現在、新しいURL https://ya-bo.hateblo.jp/ に引っ越しを行っています。2023年3月31日にこちらのブログを閉じます。

クラシックコンサートの特徴

 

本日は「クラシックのコンサートの特徴」についてお話します。


クラシック音楽とは、「西洋の伝統的な音楽」を指します。

クラシックのコンサートの最大の特徴は、楽器の音や歌声など
「生の音」をマイクやスピーカーを使わないで届けることです。
(ギターやチェンバロなど音の小さな楽器は、マイクを使うこともあります。しかし、あくまでも生の音に聞こえるように調整されています。)

そのため「コンサートホール」と名の付くホールは、
「西洋の伝統的な音楽」を演奏したときに
「生の音」がより豊かに伝わることを最優先に作られています。

つまり、クラシック音楽は、
舞台上で演奏される「生の音」を楽しむ音楽なのです。


■こうした特徴からクラシックコンサートでは、「音」に対してとてもシビアです。
生の音は繊細なため、少しの物音でも演奏の音をかき消してしまうからです。

舞台上で演奏される「音」以外の話し声、いびき、鈴の音、ビニール袋の音などは、
演奏や鑑賞の妨げとみなされます

そして、「光」についても、扉を開けた時に場内に差し込んだ光、スマートホンやスマートウォッチの画面の光など、演出のための光以外も演出や鑑賞の妨げとみなされます


そのため、
「演奏が始まると決められた時間まで、場内(客席)に入ることができません」


お芝居やミュージカル、歌舞伎、ポピュラーミュージックなどが、遅れて行っても
指定のある個所を除いて、随時入場できるのに対し、
クラシック音楽は、指定されている時間まで長い場合は何十分もロビーで待たなければならないのが大きな特徴です。

ちなみに、
指示に従わず演奏中に場内に入ろうとした場合、係員は全力で止めます

暗い場内に光が差し込んでしまうと、目立って演出効果のさまだげになりますし、演奏者も気が散ります。

また、とても静かな曲や小さい音の楽器で演奏している場合、扉を開ける音や足音だけでも響いて、鑑賞の妨げになってしまうからです。

 
電車の遅延や駐車場の混雑など、遅れてしまう理由はいろいろあると思います。
しかし、すでに場内で音楽を楽しんでいる方々の環境を守るのも、係員の大切な仕事です。

係員は、来場されたお客様にできる限り場内で「生の音」を聴いていただきたいと思っています。そのために、開演直前にいらしたお客様を案内する技術を磨ているのです。
 

みなさま
「演奏が始まると決められた時間まで、場内(客席)に入ることができない」
どうか、覚えておいてください。