やーぼのブログ

コンサートホールで案内係をしている著者が、出演者・聴衆・スタッフの思いが渦巻き乱反射する、劇場の魅力を語ります。 現在、新しいURL https://ya-bo.hateblo.jp/ に引っ越しを行っています。2023年3月31日にこちらのブログを閉じます。

ファミリー向けクラシックコンサートのルールについて

 

未就学のお子さんも入場できる「ファミリー向けのクラシックコンサート」を
より楽しむためのルールについて考えました。

一言で「コンサート」と言ってもいろいろな種類があります。

今回お伝えするのは、オーケストラやピアノ、ヴァイオリンのソロなど
「西洋の伝統的な音楽」を「生の音」で楽しむ「クラシックコンサート」についてです。(詳しくはクラシックコンサートの特徴 - tantataのブログをご覧ください。)

まず、ファミリー向けとは言ってもクラシックコンサートは「良質な響きを生み出す空間で、生の音」を楽しむ場なので、いくつかルールがあります。

それが
曲の演奏中は、客席内に入れない
客席内での飲食はできない
ということです。

どんなにお子様に親しみやすい曲をMCを加えつつ演奏したとしても、飽きてしまうお子さんはいらっしゃいます。(大人だって飽きる人はいる…。)

ファミリー向けのコンサートは、お子様が対象のコンサートですので
多少動いたり、話したり、物音を立てたりすることは許容範囲だと思います。

ですが、泣き出してしまったり、どうしても座っていられない場合は、
ロビーやホワイエのモニターで鑑賞するということもできます。

ロビーやホワイエなら、飲食ができる場合が多いですし、さわいでもあまり問題はありません。なので、ちょっと外に出て、また場内に戻って鑑賞するという方もいらっしゃいます。(場内でおにぎりを食べたり、お菓子をバリバリ食べたりすると場内が汚れたり、においの原因にもなるので、ご遠慮いただいています。)

クラシックのコンサートであっても、
演奏中に客席の外に出ることはいつでもできます。

しかし、基本的にファミリー向けのコンサートであっても演奏中に客席内に入ることはできません。(通常の公演よりゆるっとしていますが)

コンサートと言っても、スピーカーから音を流すタイプのポピュラーなコンサートは、随時入場できるのですが「生の音」で奏でられる「クラシックコンサート」は、指定の時間まで待たなければならないのです。

係員に次に入れるタイミングがいつなのか聞いておくと、そのタイミングで案内してくれます。


私の個人的な意見ですが、いくら親しみやすい曲とはいえ、何十年も生きている大人にとってはなじみがあっても、まだ生まれて6年も経っていないお子さんにとっては聞いたことのない曲だったりもします。

そんなコンサートで1時間静かに聴いていられるお子さんだったら、才能を感じます。
中には、事前にその曲を何度も聞いて、コンサートで本物の演奏を聴くという、深い教養をお持ちの熱心な親子もいらっしゃいます。

ファミリー向けコンサートには、日頃からクラシックに親しんでいる方、そうでもない方、いろいろいらしゃいます。ですが、ほかでもなく「クラシックのコンサート」を選んでお子様をお連れになっているところが素晴らしいですね。

たとえ一曲目で飽きて帰ることになっても、コンサートホールを訪れたことに意味があると思っています。

係員にとっては、バタバタで大変な「ファミリー向けコンサート」ですが、
ぜひいらしてください!