劇場のバックステージツアーって、申し込むのが難しいと思いませんか?
検索しずらいうえに見つけたと思ったら、終わってた…。なんてざらで。
一年中目を光らせていないと、そもそもその存在にすら気づけない、、、
もう幻ですね。
みんな、どうやってツアーの存在を入手しているのだろう?謎だ。
せっかくツアーを見つけても、予約が終了していたり、募集中のツアーを見つけても、日程が合わず断念することはよくあります。
劇場探検隊のやーぼとしては、一つのサイトに全国の劇場ツアーをまとめて掲示してくれるサイトの開設を望みます。
■さて、本日はKAATのツアーに行ってきたのでその感想とご紹介です。
以前から参加したいと思いつつなかなか参加できなかったKAATのツアー。ある日、ふと「KAAT」という声が聞こえた気がして検索するとなんと募集中の文字が!早速、申し込み。
いざKAAT神奈川芸術劇場へ!
KAAT神奈川芸術劇場は、「モノをつくる」「ヒトをつくる」「まちをつくる」の「3つのつくる」をテーマとする創造型の舞台芸術専用劇場です。
2011年1月11日に開館した比較的新しい劇場で、横浜の元町・中華街や山下公園の近くにあります。建物の5F~10Fに位置する最大1,200席のホールは、演劇やミュージカル、ダンスなどに適しており、最新の舞台機構を誇ります。
公式ホームページでは「3つのつくる」がミッションという項目で紹介されていて、なんだかかっこいいなと思いました。あまり知られていませんが、KAATに限らずそれぞれの劇場は、ただ上演の場を提供する箱ではなく、それぞれにミッションがあるのですよ!
また、NHK横浜放送会館(1-3階)との合築建築物になっており、レストラン、オープンカフェなども併設した複合施設で、アトリウムには座れる場所がたくさんあります。
公演があるとき以外は厳重に閉ざされている劇場と違い、公演がない時でも人々が訪れ思い思いに過ごすことができるのです。劇場を訪れるのに理由なんていらないのさ!
■エントランスで受付
KAATのエントランスは広く、吹き抜けのアトリウムになっているため、きょろきょろしていましたら、ツアー受付の方が手を振りながら呼んでくれました。
この回の参加者は15名ほど。ガイドの声が一人ひとりに聞こえる端末を受け取り、いよいよスタートです♪
■まず、アトリウムで端末の音声チェック。→5Fホールへ移動。→ホールの入り口でロッカーに荷物を預けます。
このロッカーは¥100リターン式。¥100を持っていない人は、貸し出してくれます。荷物を預けて身軽になれるのは◎。
が、しかし、
この時、配布物のオレンジ色の冊子を持っていくように指示されたのですが、カメラとメモを持っていたため、両手がふさがり…。冊子を入れるショルダーバックを持っていけばよかったと思いました。
ちなみにこの冊子をツアー中に使うことはなく、EVなどの待ち時間に手持ち無沙汰にならないようにとの配慮だったようですが、見るものすべてが興味深いため暇だと感じることはありませんでした。
■ツアーで舞台に立てる魅力って何だろう?
客席で説明を聞いた後は、舞台の上へ!!
厳かに舞台へ上がっていくと、静かな客席と舞台。広い空間に黒い床と赤い客席が調和して、何とも言えない荘厳さがあります。
ツアーに参加して舞台に立てた感動は、一人ひとり意味が違うなと感じます。演者になった気持ちを味わえること、推しと同じ景色を見れた嬉しさ、普段は入れない空間に立てたワクワク感など。
ツアーによっては、出演者になった気分を演出するために、舞台に上がる時に盛大な拍手をしてくれたり、観客の歓声の録音を流してくれるホールもあります。でも、私は静かに上がる方が好きです。
そういう演出が、よくないという意味ではありません。
ただ、拍手というのは、何かに対するレスポンスだと思うので、これから何かを披露するわけでもなく、披露し終えた後でもなく、ただ「舞台に上がれてよかったね」という意味合いでしかない演出が私には合わないのかも。
私は、準備前の静かなホールが好きです。ここから大きな感動が生まれ、歴史的な瞬間が訪れる前のまだ何もない状態。
この美しさの中に様々な工夫が施され、こうしている間も一定の温度や湿度を保ち、多くの名も知れない人々の手によって、「生かされているホール」。そんな、ホールの息遣いが感じられる、静かな空間を体感できるこのひと時がとても好きなのです。
みなさんはどんな体験に興味がありますか?
■KAATの大きな特徴は「客席の形状を変更できること」です。実は、KAATの座席は「可変型」で、1Fの客席を取り外したり列ごとに上行させたりと自在に動かすことができます。それによって、劇場空間を大きく変化させることができ、さまざまな演出が可能になります。
・基準勾配(我々が目にする一般的な配置)
・鳥屋口(伝統芸能など、本花道の設置ができる配置)
・平土間(椅子を撤去し、舞台面を広げる配置)
・急勾配(1階席と2階席が繋がる配置。ダンスなどで演者の足元まで見やすくなる)
と言われても、にわかにはイメージできないので、客席が移動するようすを映像を使って説明してくださいました。
それぞれの配置は、YouTubeでもご覧になれます。↓
KAAT神奈川芸術劇場 オンラインバックステージツアー vol.1 ~ホール編~ - YouTube
(映像を見ながら)「へぇーへぇー」と参加者一同。
ほかにも、客席と舞台を分けるプロセニアムも取り払うことができ、まさに自由自在。
私は、今までさまざまなホールを訪れてきましたが、こんなに劇場の中が変えられるホールは初めて見ました。
そのホール特有の機構を使うと、ほかにはない斬新な演出ができるので、今までにない新しいことや実験的な演出ができそうです。
が、しかし、
客席がこんなに変わったら案内する係員は大変だなと思いました。「あれっ、いつもと違う、ここどこだ?」ってなりますよ、きっと。
基準勾配のつもりで案内したら、今日は違ってた!?となったらトラウマものですね。
頭でわかっていても体がついていかないような気がする…。
次回後編、いよいよ舞台裏へ→