以前訪れた「朝倉彫塑館」のエントランスの銅像が、動く説について調べていたら、朝倉文夫の娘の朝倉摂(あさくら せつ:舞台美術家・画家、1922年7月16日 - 2014年3月27日)の回顧展が「神奈川県立近代美術館葉山」で行われているという情報を入手。
早速、次のお休みの日(コンサートに携わる仕事をしているため、不定休)に行こうと思ったら、会期終了まで残りわずか。
ほかの場所でも開催されるとのことですが、神奈川県立近代美術館葉山そのものにも興味があり、何としてでも行きたい。ということで、最終日の2日前に行ってきました。
■いざ、葉山へ
私にとって逗子駅は、湘南新宿ラインの終点の駅というイメージ。なので、電車で寝過ごすとたどり着く駅であり、なんとなくたどり着いてはいけない駅というイメージ(逗子駅をご利用のみなさますみません)がありました。しかし、こんなに素敵な場所だったとは。
そんな駅に初めて降り立ちました。
美術館へはバスに乗り換えて行きます。乗り換え案内の検索では15分ほどだったのですが、駅近くの道はとても狭く、渋滞していて、30分くらいかかりました。
神奈川県立近代美術館葉山の入り口では「生誕100年 朝倉摂展」のバナーがお出迎え。たどり着けた喜びと、美術館と街の調和された美しさにワクワクが高まります。
神奈川県立近代美術館葉山は、シンプルで上品な造りの美術館で、そのたたずまいは、佐川美術館にも通ずるものがあるなと思いました。
■入り口から心をつかまれます。こういう作品を引き立たせるデザインってどうやって考えているのだろうと小さいころからずっと思っていました。
展覧会などのチラシって、なんであんなに芸術的なんだろう?
作品そのものの美しさと、案内の文字がどちらのことも邪魔することなく配置されていて。プロだからと言われればそうかもしれませんが、美術的なセンスが私も欲しい。
■生誕100年 朝倉摂展
私が朝倉摂を知ったのは、あるホールの緞帳の作者だったからで、名前は聞いたことがあったものの、どんな活動をしていたのかも具体的な作品もほとんど知りませんでした。
なので、今回の回顧展で、朝倉摂のさまざまな作品を初めて目にしました。朝倉摂の手がけた作品は多岐にわたり、作風もいろいろで回顧展のポスターを飾っている作品『更紗の部屋.( 1942年. 素材, 紙本着色. 練馬区立美術館)』のように、親しみを感じるものもあれば、苦しさを感じる重たい絵もありました。
舞台美術の模型や映像も流れていて、その中には、最近見聞きした演目もあってとても身近に感じました。
■回顧展を見終わった感想は、生誕100年とは思えないということです。もっと現代に生きている感じがしてしまいます。
■本当は、もっとじっくり鑑賞したかったですし、美術館の中も見て回りたかったのですが、午後から仕事のため時間切れ…。葉山の地を後にしなければなりません。逗子から離れた場所にあるホールに行くため、仕方なく振り切ってきました。
芸術は、心身共に余裕がないと受け取ることができないと言いますが、本当ですね。最後の方は、もう行かなきゃ、でも、行かなきゃ、でも、が頭の中を繰り返し、バスの時間が気になって、だけど、まだまだ見たいものがたくさんあって、集中できませんでした…。
■ミュージアムショップで、「生誕100年 朝倉摂展」公式図録兼書籍『朝倉摂の見つめた世界(青幻舎)』を買ったので、読んで感想をシェアしたいと思います。
朝倉一家の住んでいた、朝倉彫塑館についてはこちらをご覧ください。↓