大人の修学旅行 番外編
番外編では、今回巡った歴史ある建築物のなかでご紹介しきれなかったものをご紹介します。
◼️京都文化博物館別館(重要文化財・旧日本銀行京都支店)
今回宿泊した宿の付近を地図で見ていて発見し、検索して出てきた別館の写真を見て興味津々、近くだったのでの2日目の夕方に行ってみることにしました。本館で平城京の歴史についての展示を見た後、いよいよ別館へ。
この日、別館では催しがなかったため本館の拝観料のみで入場することができました。閉館間際の別館の室内は、レトロな照明に照らされて何とも言えず素敵です。誰もいないがらんどうの室内はとても静かで、装飾やカウンターが私に今までの歴史を語りかけてくるよう。カウンターを見ていると、ここで、たくさんの人が働き、たくさんのお客さんが来て、、、と、さまざまなドラマを感じました。
室内にはグランドピアノが置いてあったので、演奏会も行われているもよう。「東京春音楽祭」でも、上野周辺の博物館や美術館など歴史ある建築物の中で演奏会が行われますが、私はそういう演奏会が好きです。コンサートホールも素敵ですが、文化財のもつ歴史の重厚感は、格別です!
帰りたくないなー。次またいつ来られるか分からないので、名残り惜しくて仕方ありません。しかし、ついに閉館の時間が、、、
会館スタッフ:「閉館の時間でーす。へいかっ」だれもいないと思ったら、いた。という表情。
やーぼ:「いいじゃん別に…(心の声)」
追い出されてしまいました。次はいつ来られるだろうか。
■白砂村荘(はくさそんそう)橋本関雪記念館
3日目の銀閣寺の次に訪れたのは、銀閣寺の手前にある「白砂村荘(はくさそんそう)」です。前を通った時に気になったので、行ってみることにしました。
白沙村荘は日本画家、橋本関雪が自身の制作を行うアトリエとして造営した邸宅です。
敷地内には大正〜昭和初期に建築された居宅、日本画の制作を行っていた3つの画室、茶室、持仏堂などの建造物が散在し、池泉回遊式庭園は、国の名勝に指定されているとのこと。
心が落ち着きます。
写真右手奥に見える建物は、撮影禁止になっていましたので、チケットの写真を載せます。↓
奥には、「白沙村荘 橋本関雪記念館 MUSEUM」がありました。↓
広大な敷地というわけではないのですが、入り口の門から博物館までのお庭と建物が素敵でというかすご過ぎて、博物館にたどりつくころには満足して、見終わった気になっていました。
東京にある、彫刻家:朝倉文夫のアトリエ兼邸宅も壮大な作品という感じでしたが、美術を極めると最終的には、家や庭園など自分の住む場所の創作にたどり着くようです。
◼️旧三井家下鴨別邸
3つ目に向かったのは、もともと訪れようと思っていた場所。
それは、加茂御祖神社の手前にある「旧三井家下鴨別邸」です。
このまま進まずに、曲がります。加茂御祖神社にも行きましたが、今回は省略。加茂御祖神社へ続く道は、原宿にある明治神宮みたいだなーと思っていたら、近くにいた修学旅行生も同じことを言っていました。
看板は出ていますが、意識していないと鳥居に気を取られて通り過ぎてしまいそうです。
こういうジオラマが作りたい。
邸宅の中には、一室を使ったちょっとしたカフェ兼ミュージアムショップもありました。
■この景色を残したいと言うのは簡単だけど…
歴史ある建築物を見るとこの建物やこの建物のある風景や暮らしを残していきたいなといつも思います。
ですが、実際には多くの建物がそのまま保存することが難しく、姿を消している。それがすごく残念で、新しく建った建物を見るとキレイだし、古い建物に比べて使いやすいけど、なんだか価値が半減したように感じてしまう。
それは、日本だけでなく海外に行ったときにも感じる。というより、自分が住んでいるエリアから離れるほどにその思いは強くなる。なんでだろう?
やっぱり、自分が暮らす街や建物はきれいで使い勝手がいいほうが生活しやすいので、それを天秤にかけた時そう思うのかも。
あるいは、都会では新しい建物がすでに建った景色の中にいると、そもそもその地域がどれだけ素晴らしかったのかは、写真などでしか知ることができず、写真を見て惜しんでも、もうそこにその景色はないわけで、どうすることもできない、あきらめもあります。
だからこそ、失われた情景を求めて観光地を訪れるのかな。私が京都を割と近代的だと感じたのも、京都は日本の古都ですし、歴史もあるのでそんな歴史を残した場所であってほしいという思いが強いのだと思います。
私は、保存することが難しいこれらの建物にこそ、日本がこれからの厳しい時代を切り抜ける鍵があるのではないかと考えています。
自分で実際に足を運び、入場料を払い、見たものを発信する。微力ですが、少しでも力になれたらいいなと思っています。
以上、大人の修学旅行番外編でした。